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TPPのメリット、デメリットとは?

 その後のいきさつをたどる前に、こんなにも難航するTPPのメリットとデメリットを整理してみた。

 

 まずメリットとして真っ先に挙げられるのは、関税の撤廃により輸入品が安くなるということ。特に、輸入農産物、食肉の値段はかなり安くなるだろう。同じく、関税の引き下げで貿易自由化が進み、日本製品の輸出が拡大するのもメリットの一つ。また、関税の壁をとりさってグローバル化を加速させることで、GDPの増加が期待できる。政府はGDPの2.6%増、約14兆円の拡大効果があると試算している。

 

 ただし、こうしたメリットと裏表の関係にあるのがデメリット。たとえば安い商品が海外から入ってくることで、デフレを引き起こす可能性が考えられる。安価な輸入農作物による、国内生産者のダメージも懸念されるし、また、日本とは異なる規制で生産、製造された輸入食品の安全性も大いに気になるところ。食品だけでなく、医療分野でも先進の医療制度が入ってくることで生じる、薬の価格や国民健康保険制度への影響も軽視できない。

 

 こうしてみるとメリット、デメリット半々といったところだ。そもそも、政府がGDP増加をアピールしたり、経済産業省がTPPに参加しないと雇用が81万人減ると試算しているのに対して、農林水産省は国内の農林水産物の生産額が年間最大2100億円、雇用もTPP参加により340万人減ると、全く逆方向の試算を出している。国内でもメリット、デメリット論争は並行線をたどっているのだ。